キャリアの棚卸しのやり方|経験・強み・実績から次の選択肢を整理する
「自分にはどんな強みがあるのか分からない」
「転職を考えているけれど、何をアピールすればいいか分からない」
「このまま今の仕事を続けるべきか迷っている」
こうしたときに役立つのが、キャリアの棚卸しです。
最終更新日: 編集:RAXUS Link編集部
この記事で分かること
- 1キャリアの棚卸しを進める5つのステップが分かる
- 2経験・成果・強みを具体的に整理できる
- 3転職・社内キャリア・学び直しの次の選択肢につなげられる
キャリアの棚卸しとは、これまでの仕事や経験を振り返り、
- 何をしてきたか
- どんな成果を出したか
- 何が得意か
- どんな場面で評価されたか
- これから何をしたいか
を整理することです。
転職のためだけでなく、社内での異動や昇進、学び直し、今後の働き方を考えるときにも使えます。
この記事では、キャリアの棚卸しを進める具体的な手順を整理します。
キャリアの棚卸しとは?
キャリアの棚卸しは、これまでの仕事を振り返り、自分の経験やスキルを整理する作業です。
たとえば、
- 担当した仕事
- 役割
- 成果
- 身についたスキル
- 苦労したこと
- 工夫したこと
- 評価されたこと
- 今後やりたいこと
などを書き出します。
転職活動では職務経歴書や面接準備につながりますが、それだけが目的ではありません。
今の会社に残る場合でも、
- 次に挑戦したい仕事
- 異動したい部署
- 身につけたいスキル
- 将来の役割
を考える材料になります。
キャリアの棚卸しをするタイミング
棚卸しは、転職を決めた後だけでなく、次のようなタイミングでも役立ちます。
- 転職するか迷っている
- 昇進や異動を考えている
- 今の仕事に成長実感がない
- 学び直しを考えている
- 自分の強みが分からない
- 面接や職務経歴書の準備をしたい
- 将来のキャリアが漠然としている
特に、「次に何をしたいか分からない」というときは、未来だけを考えるより、過去を整理する方がヒントを見つけやすいことがあります。
キャリアの棚卸しは5つのステップで進める
STEP1:これまでの仕事を時系列で書き出す
最初に、これまで担当してきた仕事を事実ベースで書きます。
たとえば、
| 時期 | 所属・役割 | 主な仕事 |
|---|---|---|
| 1〜2年目 | 営業 | 新規顧客開拓、商談、提案書作成 |
| 3〜4年目 | 営業 | 既存顧客対応、大口顧客担当 |
| 5年目〜 | リーダー | チーム管理、目標設計、育成 |
最初からきれいにまとめる必要はありません。
まず、
- 何を担当したか
- 誰と仕事をしたか
- どのくらいの規模だったか
を思い出します。
STEP2:成果を具体的にする
次に、それぞれの仕事でどんな成果があったかを整理します。
成果というと、
- 売上
- 利益
- 件数
- 達成率
など数字だけを考えがちですが、それだけではありません。
たとえば、
- 作業時間を減らした
- ミスを減らした
- 顧客対応を改善した
- 新しい仕組みを作った
- チームをまとめた
- 後輩を育成した
- プロジェクトを完了させた
なども成果です。
- 数字で説明できる成果がある
- 業務を改善した経験がある
- 新しい仕組みを作った経験がある
- 難しい顧客や案件に対応した経験がある
- チームで役割を担った経験がある
- 誰かを支援・育成した経験がある
STEP3:成果を出せた理由を考える
成果だけを書いても、強みはまだ見えにくいことがあります。
次に、
なぜその成果を出せたのか
を考えます。
たとえば、
売上目標を達成した
だけではなく、
- 顧客の課題を聞き出した
- 提案資料を改善した
- 商談回数を増やした
- チーム内で情報共有した
など、具体的な行動まで分解します。
この「成果につながった行動」に、自分の強みが表れます。
STEP4:繰り返し使っている強みを探す
複数の仕事を振り返ると、似た行動が繰り返されていることがあります。
たとえば、
- 相手の話を整理する
- 数字を使って考える
- 課題を見つける
- 関係者を調整する
- 新しい仕組みを作る
- 丁寧に進める
- スピードを重視する
などです。
一度だけうまくいったことより、何度も使っている行動の方が、自分の強みとして再現しやすい可能性があります。
STEP5:今後やりたいこと・やりたくないことを整理する
過去を整理したら、最後に未来を考えます。
確認したいのは、
- 今後も続けたい仕事
- もっと経験したい仕事
- できれば避けたい仕事
- 身につけたいスキル
- 興味がある業界
- 希望する働き方
です。
「やりたいこと」がすぐに出なくても、
やりたくないこと
から考える方法があります。
たとえば、
- 長時間残業は避けたい
- 営業だけを続けるのは違う
- 人を管理するより専門性を高めたい
などです。
こうした条件も、次の選択肢を絞る材料になります。
経験を「業務」「スキル」「成果」に分ける
キャリアを整理するときは、一つの経験を3つに分けると分かりやすくなります。
業務
何を担当したか。
例:
法人営業
スキル
その仕事で使った力。
例:
- ヒアリング
- 提案
- 交渉
- 顧客管理
成果
何が変わったか。
例:
既存顧客からの売上を前年より伸ばした
この3つを分けると、同じ経験を別の職種でも活かせるか考えやすくなります。
数字にできない経験も整理する
すべての仕事を数字で表せるわけではありません。
たとえば、
- トラブル対応
- 他部署との調整
- 業務マニュアル作成
- 新人教育
- 採用面接
- 顧客クレーム対応
などです。
数字にできない場合は、
何がどう改善したか
を具体的に書きます。
たとえば、
新人教育を担当した
ではなく、
新人向けの業務手順を整理し、OJTの進め方を統一した
と書くと、実際に何をしたかが伝わりやすくなります。
「得意」と「好き」は分けて考える
得意な仕事が、必ずしも好きな仕事とは限りません。
逆に、好きでもまだ得意ではないこともあります。
整理するときは、
| 好き | 好きではない | |
|---|---|---|
| 得意 | 今後も伸ばしたい候補 | 得意だが続けたいか要検討 |
| 苦手 | 学び直す候補 | 優先度を下げる候補 |
のように考える方法があります。
「得意だからこの仕事を続けるべき」と一律に決める必要はありません。
周囲から評価されたことを思い出す
自分では当たり前にできることほど、強みとして認識しにくい場合があります。
過去に、
- 上司から褒められた
- 顧客から感謝された
- よく頼まれた
- チームで任されることが多かった
ことを思い出してみましょう。
たとえば、
- 説明が分かりやすい
- 対応が早い
- 数字に強い
- 調整がうまい
- 丁寧に進める
などです。
周囲からの評価は、自分の強みを見つけるヒントになります。
失敗した経験も棚卸しする
うまくいったことだけでなく、失敗や苦労した経験も整理します。
たとえば、
- 目標未達
- プロジェクト遅延
- 顧客トラブル
- マネジメントの失敗
などです。
重要なのは、「失敗した」で終わらせるのではなく、
- 何が原因だったか
- どう対応したか
- 次にどう改善したか
を見ることです。
こうした経験からも、自分の考え方や成長が分かります。
キャリアの棚卸しテンプレート
次の項目を、仕事ごとに埋めてみましょう。
- 所属・役割
- 主な仕事内容
- 担当した顧客・プロジェクト
- 自分の役割
- 成果
- 工夫したこと
- 身についたスキル
- 苦労したこと
- 周囲から評価されたこと
- 今後も続けたいこと
棚卸しした内容を3つに分類する
一通り書き出したら、内容を次の3つに分けます。
今後も活かしたい
自分の強みや経験として、次でも使いたいもの。
もっと伸ばしたい
興味はあるが、まだ経験やスキルが足りないもの。
今後は減らしたい
得意でも、今後はあまりやりたくないもの。
この分類をすると、今後の方向性が見えやすくなります。
棚卸しから次の仕事を考える
キャリアの棚卸しができたら、次に「どの方向へ進むか」を考えます。
たとえば、
今の仕事を深める
同じ職種で専門性を高める。
役割を広げる
マネジメントや企画など、新しい役割へ進む。
別の職種へ広げる
これまでの経験を活かして近い職種へ移る。
新しい分野へ移る
学び直しをしながら新しい職種に挑戦する。
必ずしも転職する必要はありません。
社内異動や新しいプロジェクトへの参加で実現できる場合もあります。
転職する場合は「強み」と「希望条件」を分ける
転職活動では、
自分が企業へ提供できるもの
と、
企業に求めるもの
を分けることが大切です。
提供できるもの
- 経験
- スキル
- 成果
- 強み
求めるもの
- 仕事内容
- 年収
- 働き方
- 勤務地
- 成長機会
両方を整理すると、求人を選ぶ基準が明確になります。
転職そのものを迷っている場合は、転職するか迷ったときに考えたい7つのことも確認してください。
足りないスキルが見えたら学び直す
棚卸しをすると、
「やりたい仕事はあるけれど、必要なスキルが足りない」
と分かることがあります。
その場合は、
- AI
- プログラミング
- 語学
- データ分析
- マネジメント
など、必要なテーマを学び直す方法があります。
何を学ぶか迷っている場合は、社会人の学び直し、何から始める?も参考になります。

